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◇「将来、認知症になってしまい、詐欺等にひっかかったらどうしよう…」
このようなご不安を抱える高齢者の方は多いのではないでしょうか。
2013年6月1日に発表された厚生労働省研究班の研究結果によると、2012年時点で全国の認知症患者の推計は、65歳以上の高齢者のおよそ15%にあたる約462万人であるとされています。ご親族やご自身が今は判断能力がしっかりしていても、将来的に「認知症」になってしまうことは決して珍しいことではありません。
それでは、このようなご不安を解消するためには何か良い方法はあるのでしょうか。
≪成年後見制度(せいねんこうけんせいど)≫
既に認知症になってしまい、判断能力が低下している状況下では、配偶者やご親族が家庭裁判所に「後見(保佐又は補助)開始の審判」を申し立てることができ、この申し立てが認められれば、家庭裁判所により「成年後見人(保佐人・補助人)」として選任された人が、ご本人の財産を管理したり、ご本人に代わって契約の締結をすることができます。
※なお、成年後見人等のお仕事は、ご本人の財産の管理や契約などの法律行為に関するもの限られており、食事の世話や実際の介護などは一般に成年後見人等のお仕事ではありません。
〜 ここがポイント! 〜
認知症等の精神上の障害により、既に判断能力が低下している常況であることが必要です。
家庭裁判所に対して、「後見(保佐又は補助)開始の審判」の申し立てを行うことが必要です。
誰が成年後見人等に就任するかは家庭裁判所が一切に事情を考慮して判断し、選任します。例えば、配偶者や兄弟を「候補者」として推薦することはできますが、全く関係のない第三者である弁護士や司法書士が成年後見人等として就任することもしばしばあります。
それでは、将来、認知症になった場合に備えて、「お元気なうちから」何か対策はできないのでしょうか。下記の「任意後見制度」を利用することで、解決することができます。
≪任意後見制度(にんいこうけんせいど)≫
任意後見制度は,本人が十分な判断能力があるうちに,将来,判断能力が不十分な状態になった場合に備えて,あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に,自分の生活,療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(『任意後見契約』と言います。)を公証人(こうしょうにん)の作成する公正証書(こうせいしょうしょ)で結んでおくというものです。
そうすることで,本人の判断能力が低下した後に,任意後見人が,『任意後見契約』で決めた事務について,家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって,本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。
※『任意後見契約』の締結だけでは、任意後見人として指定された者(任意後見受任者)がご本人(任意後見委任者)の財産を管理することはできません。判断能力が低下した後に、家庭裁判所に対し、「任意後見監督人」の選任を申し立て、「任意後見監督人」が選任されることが必要になります。なお、判断能力が低下していない段階においては、財産管理や目的とした「事務委任契約」等を締結することが可能です。
〜 ここがポイント! 〜
判断能力がしっかりしている時から、自分の意志で、財産の管理を任せる人を決めておくことができます。
家庭裁判所に申し立てる必要はなく、公証役場にて「公正証書」で契約書を作成します。
判断能力が低下し、家庭裁判所にて「任意後見監督人」が選任されるまでは効力を有しません。
もしご自身やご親族が「認知症になったら…」とご不安を抱えていらっしゃるのであれば、まずは上記の制度の利用を考えてみてはいかがでしょうか。
フリーライフサポート倶楽部(運営:株式会社リーガルマネジメント名南)では、必要に応じて後見業務が得意な司法書士をご紹介させていただくことが可能です。お気軽にご相談ください。
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